国語って?

 国語とは何でしょう。
 国文学を学び幾歳月も日本語をべらべら使用してきたこの身としてもそれに答えることは出来ません。

 しかしわたくしの思うところ物を考える道具であるということは間違いありません。理路整然とした言葉遣いをされる方は考え方も整然としており、雑駁な言葉遣いの方は考え方も濁っています。
 また的確な言葉は的確な破壊力を持っておりその射程も長い。狙った人の心も、不特定多数の聴衆及び読者の心も正確に撃つことが出来ます。より正確な言葉は届くスピードが速く、より遠くまで飛び、重量もあるので破壊力もあります。
 人を説得したり得心いかせたり感動させたりする言葉は武器であり、それを的確にセレクトするセンスは日常会話、読書等で醸成されて行きます。またそのようにして身に付いた言葉とセンスはいついかなる場合でも効果を発揮します。どのような職業のいかなる場面でも。物理学者寺田寅彦のエッセイは日常と高邁が良いバランスで語られ、プロ雀士色川武大は優しい筆致で人生指南をものしました。
(素晴らしいですね。彼等の名をこのように口にするだけで清冽な思いが胸に訪れる。そしてそれをして憚らぬ職業を選んだことも今大変誇らしいです。)

 また言葉はその人となりを現わしています。いい言葉を使った人はいい印象を残す。本当にいい人かは判らないけれど、ちょっといい人っぽい。言葉遣いが下手な人はちょっと損をする。本当はいい人かもしれないけれど、何処となく印象に残り辛い。いっそ悪態でもついてくれた方が覚えやすいけど、それじゃ商売にもならないし親戚にもなれないし友達にもなれない。ただ揉めるだけです。

 少しだけ国語の大切さを感じることが出来たでしょうか。
 国語とは何かという根本問題には全く迫れませんが、日々役に立つことに間違いはありません。何しろわたくしたちは国語を使って全てを行っているからです。いつの日にか国語が英語に駆逐され滅びるにしても「日本語が滅びるー!」と最後に誰かに伝えるのも日本語で、だと思います。

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