はじめに

(長いので終わりに読んで頂いても構いません)
 

 冒頭の言葉。少し無茶なもの言いですが、春秋に富む年若い人達を見ていると、ついこんな言葉でエールを贈りたくなります。
 嘗てわたくしが宿望を果たし東京へ勇躍した時に、再びこの故郷へ戻って両親の為になりたいとか故郷の為になりたいなどとこれっぽっちも思いませんでした。稚拙ではあるが激しく滾るだけ滾る熱情に振り回されてあのみすぼらしい駅のみすぼらしい列車に乗り、寧ろ清々しながら上京したわけです。
 その後のわたくしについては特に何も申しますまい。啖呵を切ったその割にしんなりと弱く、その次の望みは何一つ叶わなかったと言ってもいい。しかし腐らず徒に悲しむことなく、粛々と日々を送り、ついにこのアイソラに辿り着いたところであります。
 わたくしは色々なことを覚えていませんがあの日々のことはよく覚えています。希望を持ちその実現を思い描き、その努力に相応しい果実を国文学研究室やら学食やら、居酒屋やらで大いに享受したものです。高校から大学に掛けてのわたくしの日々は誇らしく美しく若さの芳しい香りに満ちていました。
 勿論人はそれぞれで、そんなところに誇りを見い出さない人もいるでしょう。現代の世の中は例え学生と言えども多面的で多彩で、ただ一つの価値観に纏め切ることは不可能です。
 しかし敢えて申し上げるなら、学ぶことは悪くない。
 他を顧みず一途に勉強をすることは決して恥ずかしいことではありません。
 学問をし自らの力で自らの未来を切り開くことは本来のヒトに相応しい行為であり作業であって、譬えガリ勉と揶揄されようと、他のものに比して頭一つ抜け出しているくらい燦然とした価値を持っていると思います。あくまでわたくし個人の見解ですが。
 勉強をして希望の職業に就きたい。そしてこの社会でどのような形であれ有為なる存在となり、自分にしか出来ない仕事を成し遂げたい。そういった価値観や希望を堂々と言えるというのは素晴らしくないですか?『僕は走るのも遅いし球技も上手くない。音痴で絵も下手だから勉強一筋に打ち込んで、自らの将来を自ら切り開いていくんだ』と言ったらわたくしは心からの拍手を贈ります。それは他の夢と比して何の遜色もない。年若い人の望みに相応しい信念と迫力に満ちているではありませんか。
 勿論そこまで勉強一本やりな人は少なく、多くはその才能の赴くまま部活やお稽古や趣味に打ち込んで日々彩り豊かな時間を過ごしています。そしてその時間の延長上に受験があって大会があって、わたくしが嘗て苦しんだより余程スムーズにナチュラルに、合格があり優勝があるのです。
 しかしそれでも苦しく危うい時もある。迷ったりピンチになって内申点が伸び悩んだり平均点に届かなかったり二回戦に進めないかもと危惧したりすることだってあるでしょう。わたくしは部活のアドヴァイスは出来ませんが、学んでいく内に遭遇する苦境の中で自らをいかに活かすかを、共に学ぶ中からアドヴァイス出来ると思います。

店舗データ・アクセス

学習塾アイソラ

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●主 宰/後沢 謙
1965年生まれ。中央大学文学部文学科国文学専攻卒業後、東京にて三推社(出版社)、志学社、ひのき進学教室に勤務。帰郷し月刊タウン情報いいだの企画営業、更に同誌編集長を17年間務める。2013年より阿智高等学校に付随する神坂学習塾にボランティア講師として参加。現代国語担当。漢字検定準一級保持。

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